2020/10/30


Go 言語はシングルバイナリをウリにしたプログラミング言語です。バイナリファイルを1つポンと scp で転送すれば動くのでとても便利です。シングルバイナリとなると当然、画像や HTML といったアセットをバイナリに埋め込みたくなります。

Go 言語ではこれまで go-assetsgo-bindatastatik というツールを使う事でファイルのコンテンツをバイナリ化し、変数からアクセスする様にしてきました。

しかしそれらには色々な流儀や OS 間でのまばらな動作など、ユーザにとって納得のいかない物がありました。昨日、Go 言語ではオフィシャルとしてこのファイル埋め込みをサポートする様になりました。Go 1.16 から使える様になります。

cmd/go: add //go:embed support · golang/go@25d28ec · GitHub

+3 −3 src/cmd/go/internal/fsys/fsys.go +1 −1 src/cmd/go/internal/fsys/fsys_test.go +2 −0 src/cmd/go/...

https://github.com/golang/go/commit/25d28ec55aded46e0be9c2298f24287d296a9e47
package main

import (
    _ "embed"
    "net/http"

    "github.com/labstack/echo"
)

//go:embed static/logo.png
var contents []byte

func main() {
    e := echo.New()
    e.GET("/"func(c echo.Context) error {
        return c.Blob(http.StatusOK, "image/png", contents)
    })
    e.Logger.Fatal(e.Start(":8989"))
}

変数に //go:embed [ファイル名] というコメントを付ける事でそのコンテンツを変数に埋め込む事ができます。開発者がやるのは embed をブランクインポートする事と go build だけです。ファイルが読み込めなかったり、記法が不正な場合はコンパイルエラーとなります。

pattern static/logo1.png: no matching files found

またバイト列ではなく文字列でも使えます。

package main

import (
    _ "embed"
    "fmt"
)

//go:embed message.txt
var message string

func main() {
    fmt.Println(message)
}

これまで go generate を使ってバイナリファイルを変数に埋め込んでいたので、それから比べるとずいぶん便利になりました。そしてファイルだけでなく、ファイルシステムとして埋め込む事もできる様になりました。

package main

import (
    "embed"
    "io"
    "log"
    "os"
    "path"
)

//go:embed static
var local embed.FS

func main() {
    fis, err := local.ReadDir("static")
    if err != nil {
        log.Fatal(err)
    }
    for _, fi := range fis {
        in, err := local.Open(path.Join("static", fi.Name()))
        if err != nil {
            log.Fatal(err)
        }
        out, err := os.Create("embed-" + path.Base(fi.Name()))
        if err != nil {
            log.Fatal(err)
        }
        io.Copy(out, in)
        out.Close()
        in.Close()
        log.Println("exported""embed-"+path.Base(fi.Name()))
    }
}

embed.FS は実際にファイルが開ける Open メソッドをサポートしている為、 http.FileSystem が返す様なファイルシステムとは互換性がなく、以下の様にウェブサーバに使う事はできないですが、いずれサードパーティからラップするライブラリが登場すると思います。

package main

import (
    "embed"
    "net/http"

    "github.com/labstack/echo"
)

//go:embed static
var local embed.FS

func main() {
    e := echo.New()
    e.GET("/", echo.WrapHandler(http.FileServer(local)))
    e.Logger.Fatal(e.Start(":8989"))
}

追記 http.FS という関数が既に用意されていました。以下のリポジトリの example4 にサンプルを足しています。

Go 1.16 が待ち遠しいですね。

Go 1.16 が待ち遠しいですね。

※大事な事なので2回言いました。

これらのサンプルは以下のリポジトリに置いてあります。

GitHub - mattn/go-embed-example

We use optional third-party analytics cookies to understand how you use GitHub.com so we can build b...

https://github.com/mattn/go-embed-example
改訂2版 みんなのGo言語 改訂2版 みんなのGo言語
松木 雅幸, mattn, 藤原 俊一郎, 中島 大一, 上田 拓也, 牧 大輔, 鈴木 健太
技術評論社 Kindle版 / ¥2,278 (2019年08月01日)
 
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2020/09/30


Zenn で「シェルスクリプトで作る Twitter bot 作成入門」という本を書きました。

シェルスクリプトで作る Twitter bot 作成入門 | Zenn

筆者が開発している幾らかのコマンドラインプログラムとシェルスクリプトを使って簡単に Twitter bot を作る方法をご紹介します。 ...

https://zenn.dev/mattn/books/bb181f3f4731920f29a5

昨今ではプログラマは数多くの技術やデータ、サーバを相手にしなければならない事が増えてきました。その為、少ない人的リソースを有効に活用する為にシステムの自動化を行う事もあります。外部のシステムからデータを取得し、加工、また別のシステムへデータを送信する、こういった処理の流れは実務だけで学ぶのは難しい事もあります。自ら手を動かし、失敗した経験を得て知識を蓄えます。

Twitter bot は一見、単なるお遊びに見えてしまいますが、こういった処理を楽しく学べる良い題材だと思っています。本書ではシェルスクリプトと幾らかのコマンドを組み合わせて、Twitter bot を作成します。sed や grep といった UNIX では当たり前の様に使うコマンドを、どう組み合わせれば良いかも学んで頂けると思います。

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2020/09/22


先日、vim-jp の Slack で zenn という情報コミュニティを知りました。

Zenn|プログラマーのための情報共有コミュニティ

Publish your book Zennではウェブ上で読める本を投稿することができます。本は無料公開も、有料販売もできます。 あなたが得意な技術やアイデアを、ぜひ1冊の本にまとめてみましょう。 本...

https://zenn.dev

Qiita と Note を足して2で割った様なサービスで、Markdown で記事や本を執筆する事ができます。有料の記事や本を執筆する事もできます。また有料でなくても記事を読んでサポートしたいと思う方がいれば寄付という形で還元頂ける仕組みがあります。

先日、ActixWeb という Rust のウェブフレームワークにパッチを送った話を zenn に投稿した所、1000 円のサポートを受けました。モチベーションもあがって良いですね。

ActixWeb にパッチを送った話 | Zenn

はじめに 先日、ActixWeb にパッチを送りました。とは言っても本体ではなく examples の中に格納されている todo アプリの話。 https://github.com/actix/ex...

https://zenn.dev/mattn/articles/d1662e41311cba9f10cf

Note はアカウントは持ってはもっていつつも一度も書いた事がなかったのですが、zenn は CLI も用意されていてプログラマが技術情報を公開してサポートを受けるには良いプラットフォームだと感じました。試しに zenn で有料の本を書いてみました。少し実験してみたいという気持ちもありました。

Go 言語にやってくる Generics は我々に何をもたらすのか | Zenn

2021 年リリース予定の Go 1.17 に、多くの皆さんが待ち望んでいた Generics が導入される予定です。Go が Generics を採用したプロセス、C++ や Java の Gene...

https://zenn.dev/mattn/books/4c7de85ec42cb44cf285

価格設定は超適当に 1000 字 50 円と考えました。(13000~14000字くらいなので600円)

2020年9月22日の午前3時に公開したので、およそ9時間くらいですが 22000 円程度の売り上げがあります。何か本を書いてみたいけど技術書展に出す勇気は無い、または時間がない、でも皆に読んで欲しい、そういった方々でも簡単に出版できる zenn はとても良いサービスだと思いました。ウェブ上のエディタに少し難がありますが、それはいずれ修正されると思います。またローカルでテキストエディタを使って編集する方法も提供されています。本を出版する際のセクションの分け方ははじめ少し戸惑いますが、しばらく触っていれば慣れると思います。またどこを無料にしてどこを有料にするかの設定も可能なので、チラ見せも出来る様になっています。皆さんもフォルダの奥に眠っている素晴らしい駄文を本にしてみては如何でしょうか。

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