2020/09/16


Go のアプリケーションを作っていると、シグナルの受信に伴い処理を中断したり再起動する処理を実装する事が多い。これまでは signal.Notify でシグナルをキャッチし、別途 context.WithCancel で作成したコンテキストを自ら cancel する処理を書かなければならなかった。Go の tip に入ったコミットにより、これが幾分改善される様になった。

package main

import (
    "context"
    "fmt"
    "os"
    "os/signal"
    "time"
)

func main() {
    ctx, stop := signal.NotifyContext(context.Background(), os.Interrupt)
    defer stop()

    select {
    case <-time.After(time.Second):
        fmt.Println("done")
    case <-ctx.Done():
        stop()
        fmt.Println("canceled")
    }
}

このコードを実行すると、1秒経過すると done が、途中で CTRL-C をタイプすると canceled が表示される。一見、利用用途が少ない様に見えるが以下の様に goroutine を複数起動し、signal で一括終了する時には便利。

package main

import (
    "context"
    "fmt"
    "os"
    "os/signal"
    "sync"
)

func blocking(ctx context.Context, wg *sync.WaitGroup) {
    defer wg.Done()
    fmt.Println("worker started")
    <-ctx.Done()
    fmt.Println("worker canceled")
}

func main() {
    ctx, stop := signal.NotifyContext(context.Background(), os.Interrupt)
    defer stop()

    var wg sync.WaitGroup
    wg.Add(3)
    go blocking(ctx, &wg)
    go blocking(ctx, &wg)
    go blocking(ctx, &wg)

    wg.Wait()
}
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2020/07/20


はじめに

2016年にこんな記事を書きました。

Big Sky :: Windows ユーザは cmd.exe で生きるべき。

[D] Windowsはターミナルがダメだから使えないってのは過去の話? 基本的にはいい感じに見えますが、いくつか問題は発覚してます。 http://blog.drikin.com/2015/01/w...

https://mattn.kaoriya.net/software/why-i-use-cmd-on-windows.htm

この記事は日常からコマンドプロンプトを使うユーザに Windows で生き抜く為の僕なりの方法を教授したつもりです。最近は PowerShell を使われる方も多いと思いますが、僕はどうしても PowerShell が好きになれず、未だにコマンドプロンプトで生き続けています。

あれから4年

記事の反響は結構大きく、いろいろなコメントも頂きました。あれから幾らかこのハック方法をアップデートしてきたので、この記事で紹介したいと思います。前の記事では、こんな事を言っていました。

コマンドインから groovy を使った開発を行いたい場合は、まずこのバッチファイル(groovyenv.bat という名前にしています)を実行します。

この方法も確かに良いのですが、使いたい時に xxxenv.bat を起動する手間は意外と大きかったりもするのです。またバッチファイルを作るのも手間でした。でも PATH 環境変数の長さにも限界があるし、毎回毎回 xxxenv.bat を作るのが面倒臭い。

分かります。そこで思いついたのが以下の新しい方法です。

マクロを使え

新しい方法といっても、基本は前の方法と変わりません。レジストリエディタを起動し、以下のキーに AutoRun という文字列値を作ります。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Command Processor

文字列値の中身には以下を設定します。

%USERPROFILE%\init.cmd
regedit

こうするとコマンドプロンプトが起動する度に %USERPROFILE%\init.cmd が実行されます。init.cmd の中身は簡単な内容です。

@echo off

doskey /macrofile=%USERPROFILE%\init.macros

if "%CMD_INIT_SCRIPT_LOADED%" neq "" goto :eof
set CMD_INIT_SCRIPT_LOADED=1

set EDITOR=c:/dev/vim/vim.exe
set GIT_EDITOR=c:/msys64/usr/bin/vim.exe
set GRAPHVIZ_DOT=c:/dev/graphviz/bin/dot.exe
set LANG=ja_JP.UTF-8
set GOROOT_BOOTSTRAP=c:\users\mattn\go1.13.5
set CMAKE_GENERATOR=MSYS Makefiles
set GIT_SSH=c:\windows\system32\openssh\ssh.exe

cls

冒頭で init.macrosdoskey で読み込んでいる点を見て下さい。doskey コマンドにはエイリアス機能があるのですが、これを使って特定のコマンドをフルパスで参照しようというハックです。例えば僕の init.macros は以下の通り。

ls=ls --color=auto --show-control-chars -N $*
licecap="C:\Program Files (x86)\LICEcap\licecap.exe" $*
gimp="C:\Program Files\GIMP 2\bin\gimp-2.10.exe" $*
vlc="C:\Program Files\VideoLAN\vlc\vlc.exe" $*
code="C:\Users\mattn\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Code\bin\code.cmd" $*
ag=ag --nocolor $*
ssh=c:\msys64\usr\bin\ssh.exe $*
find=c:\msys64\usr\bin\find.exe $*
vi=vim $*
mv=mv -i $*
cp=cp -i $*
rm=rm -i $*
grep=grep --color=auto $*
java="c:\Program Files\Java\jdk-13\bin\java" $*
julia=c:\users\mattn\AppData\Local\Julia-1.3.1\bin\julia $*
conda=c:\users\mattn\Miniconda3\Library\bin\conda.bat $*
vcvars64="C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2019\Community\VC\Auxiliary\Build\vcvars64.bat"
choco=C:\ProgramData\chocolatey\bin\choco.exe $*
vagrant=c:\dev\vagrant\bin\vagrant.exe $*
docker="C:\Program Files\Docker\Docker\resources\bin\docker.exe" $*
docker-compose="C:\Program Files\Docker\Docker\resources\bin\docker-compose.exe" $*
tinygo=c:\dev\tools\tinygo\bin\tinygo.exe $*

短い名前をフルパスで登録する事で PATH 環境変数を弄る事無く、コマンドを直接実行できる様になるという訳です。

これらのコマンドそれぞれに PATH を通すのは面倒ですし、xxxenv.bat を作るのは面倒ですよね。この面倒さから開放されたのです。メンテするのは init.macros だけなのですから、随分と楽になりました。

注意点

この方法が使えるのは、あくまでインタラクティブシェルの中だけです。コマンドプロンプトから docker コマンドは使える様になりましたが、そのコマンドプロンプトから起動するバッチファイルの中で docker を実行してもパスが通っていないのでエラーになります。ただ、それはそのバッチファイルがちゃんとフルパスで起動するか、バッチファイルの中で PATH を通しさえすれば解決する話です。

実はこの方法は既に 2017 年の時点で思いついていて、ずっとこの環境で実践してきましたが特に問題は起きていません。

Windows のコマンドプロンプトで生きておられる方にオススメしたいハックです。

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2020/06/19


元ネタ

作ったもの。

mattn/fakemovie · GitHub
https://github.com/mattn/fakemovie

Go のパッケージにしてあるので、Go の HTTP サーバからサーブする画像全てに再生ボタンを付ける様なミドルウェアを作る事もできてとても便利です。一応、オマケとしてコマンドを用意してあります。

$ fakemovie -r 40 input.png
fakemovie

こんな感じに使えるのでご利用下さい。

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