2020/09/22


先日、vim-jp の Slack で zenn という情報コミュニティを知りました。

Zenn|プログラマーのための情報共有コミュニティ

Publish your book Zennではウェブ上で読める本を投稿することができます。本は無料公開も、有料販売もできます。 あなたが得意な技術やアイデアを、ぜひ1冊の本にまとめてみましょう。 本...

https://zenn.dev

Qiita と Note を足して2で割った様なサービスで、Markdown で記事や本を執筆する事ができます。有料の記事や本を執筆する事もできます。また有料でなくても記事を読んでサポートしたいと思う方がいれば寄付という形で還元頂ける仕組みがあります。

先日、ActixWeb という Rust のウェブフレームワークにパッチを送った話を zenn に投稿した所、1000 円のサポートを受けました。モチベーションもあがって良いですね。

ActixWeb にパッチを送った話 | Zenn

はじめに 先日、ActixWeb にパッチを送りました。とは言っても本体ではなく examples の中に格納されている todo アプリの話。 https://github.com/actix/ex...

https://zenn.dev/mattn/articles/d1662e41311cba9f10cf

Note はアカウントは持ってはもっていつつも一度も書いた事がなかったのですが、zenn は CLI も用意されていてプログラマが技術情報を公開してサポートを受けるには良いプラットフォームだと感じました。試しに zenn で有料の本を書いてみました。少し実験してみたいという気持ちもありました。

Go 言語にやってくる Generics は我々に何をもたらすのか | Zenn

2021 年リリース予定の Go 1.17 に、多くの皆さんが待ち望んでいた Generics が導入される予定です。Go が Generics を採用したプロセス、C++ や Java の Gene...

https://zenn.dev/mattn/books/4c7de85ec42cb44cf285

価格設定は超適当に 1000 字 50 円と考えました。(13000~14000字くらいなので600円)

2020年9月22日の午前3時に公開したので、およそ9時間くらいですが 22000 円程度の売り上げがあります。何か本を書いてみたいけど技術書展に出す勇気は無い、または時間がない、でも皆に読んで欲しい、そういった方々でも簡単に出版できる zenn はとても良いサービスだと思いました。ウェブ上のエディタに少し難がありますが、それはいずれ修正されると思います。またローカルでテキストエディタを使って編集する方法も提供されています。本を出版する際のセクションの分け方ははじめ少し戸惑いますが、しばらく触っていれば慣れると思います。またどこを無料にしてどこを有料にするかの設定も可能なので、チラ見せも出来る様になっています。皆さんもフォルダの奥に眠っている素晴らしい駄文を本にしてみては如何でしょうか。

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2020/09/16


Go のアプリケーションを作っていると、シグナルの受信に伴い処理を中断したり再起動する処理を実装する事が多い。これまでは signal.Notify でシグナルをキャッチし、別途 context.WithCancel で作成したコンテキストを自ら cancel する処理を書かなければならなかった。Go の tip に入ったコミットにより、これが幾分改善される様になった。

package main

import (
    "context"
    "fmt"
    "os"
    "os/signal"
    "time"
)

func main() {
    ctx, stop := signal.NotifyContext(context.Background(), os.Interrupt)
    defer stop()

    select {
    case <-time.After(time.Second):
        fmt.Println("done")
    case <-ctx.Done():
        stop()
        fmt.Println("canceled")
    }
}

このコードを実行すると、1秒経過すると done が、途中で CTRL-C をタイプすると canceled が表示される。一見、利用用途が少ない様に見えるが以下の様に goroutine を複数起動し、signal で一括終了する時には便利。

package main

import (
    "context"
    "fmt"
    "os"
    "os/signal"
    "sync"
)

func blocking(ctx context.Context, wg *sync.WaitGroup) {
    defer wg.Done()
    fmt.Println("worker started")
    <-ctx.Done()
    fmt.Println("worker canceled")
}

func main() {
    ctx, stop := signal.NotifyContext(context.Background(), os.Interrupt)
    defer stop()

    var wg sync.WaitGroup
    wg.Add(3)
    go blocking(ctx, &wg)
    go blocking(ctx, &wg)
    go blocking(ctx, &wg)

    wg.Wait()
}
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2020/07/20


はじめに

2016年にこんな記事を書きました。

Big Sky :: Windows ユーザは cmd.exe で生きるべき。

[D] Windowsはターミナルがダメだから使えないってのは過去の話? 基本的にはいい感じに見えますが、いくつか問題は発覚してます。 http://blog.drikin.com/2015/01/w...

https://mattn.kaoriya.net/software/why-i-use-cmd-on-windows.htm

この記事は日常からコマンドプロンプトを使うユーザに Windows で生き抜く為の僕なりの方法を教授したつもりです。最近は PowerShell を使われる方も多いと思いますが、僕はどうしても PowerShell が好きになれず、未だにコマンドプロンプトで生き続けています。

あれから4年

記事の反響は結構大きく、いろいろなコメントも頂きました。あれから幾らかこのハック方法をアップデートしてきたので、この記事で紹介したいと思います。前の記事では、こんな事を言っていました。

コマンドインから groovy を使った開発を行いたい場合は、まずこのバッチファイル(groovyenv.bat という名前にしています)を実行します。

この方法も確かに良いのですが、使いたい時に xxxenv.bat を起動する手間は意外と大きかったりもするのです。またバッチファイルを作るのも手間でした。でも PATH 環境変数の長さにも限界があるし、毎回毎回 xxxenv.bat を作るのが面倒臭い。

分かります。そこで思いついたのが以下の新しい方法です。

マクロを使え

新しい方法といっても、基本は前の方法と変わりません。レジストリエディタを起動し、以下のキーに AutoRun という文字列値を作ります。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Command Processor

文字列値の中身には以下を設定します。

%USERPROFILE%\init.cmd
regedit

こうするとコマンドプロンプトが起動する度に %USERPROFILE%\init.cmd が実行されます。init.cmd の中身は簡単な内容です。

@echo off

doskey /macrofile=%USERPROFILE%\init.macros

if "%CMD_INIT_SCRIPT_LOADED%" neq "" goto :eof
set CMD_INIT_SCRIPT_LOADED=1

set EDITOR=c:/dev/vim/vim.exe
set GIT_EDITOR=c:/msys64/usr/bin/vim.exe
set GRAPHVIZ_DOT=c:/dev/graphviz/bin/dot.exe
set LANG=ja_JP.UTF-8
set GOROOT_BOOTSTRAP=c:\users\mattn\go1.13.5
set CMAKE_GENERATOR=MSYS Makefiles
set GIT_SSH=c:\windows\system32\openssh\ssh.exe

cls

冒頭で init.macrosdoskey で読み込んでいる点を見て下さい。doskey コマンドにはエイリアス機能があるのですが、これを使って特定のコマンドをフルパスで参照しようというハックです。例えば僕の init.macros は以下の通り。

ls=ls --color=auto --show-control-chars -N $*
licecap="C:\Program Files (x86)\LICEcap\licecap.exe" $*
gimp="C:\Program Files\GIMP 2\bin\gimp-2.10.exe" $*
vlc="C:\Program Files\VideoLAN\vlc\vlc.exe" $*
code="C:\Users\mattn\AppData\Local\Programs\Microsoft VS Code\bin\code.cmd" $*
ag=ag --nocolor $*
ssh=c:\msys64\usr\bin\ssh.exe $*
find=c:\msys64\usr\bin\find.exe $*
vi=vim $*
mv=mv -i $*
cp=cp -i $*
rm=rm -i $*
grep=grep --color=auto $*
java="c:\Program Files\Java\jdk-13\bin\java" $*
julia=c:\users\mattn\AppData\Local\Julia-1.3.1\bin\julia $*
conda=c:\users\mattn\Miniconda3\Library\bin\conda.bat $*
vcvars64="C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2019\Community\VC\Auxiliary\Build\vcvars64.bat"
choco=C:\ProgramData\chocolatey\bin\choco.exe $*
vagrant=c:\dev\vagrant\bin\vagrant.exe $*
docker="C:\Program Files\Docker\Docker\resources\bin\docker.exe" $*
docker-compose="C:\Program Files\Docker\Docker\resources\bin\docker-compose.exe" $*
tinygo=c:\dev\tools\tinygo\bin\tinygo.exe $*

短い名前をフルパスで登録する事で PATH 環境変数を弄る事無く、コマンドを直接実行できる様になるという訳です。

これらのコマンドそれぞれに PATH を通すのは面倒ですし、xxxenv.bat を作るのは面倒ですよね。この面倒さから開放されたのです。メンテするのは init.macros だけなのですから、随分と楽になりました。

注意点

この方法が使えるのは、あくまでインタラクティブシェルの中だけです。コマンドプロンプトから docker コマンドは使える様になりましたが、そのコマンドプロンプトから起動するバッチファイルの中で docker を実行してもパスが通っていないのでエラーになります。ただ、それはそのバッチファイルがちゃんとフルパスで起動するか、バッチファイルの中で PATH を通しさえすれば解決する話です。

実はこの方法は既に 2017 年の時点で思いついていて、ずっとこの環境で実践してきましたが特に問題は起きていません。

Windows のコマンドプロンプトで生きておられる方にオススメしたいハックです。

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