- HTTPからデータを取得する
- 取得したデータを json パースする
- 結果の一部を色付きで表示する
「HTTP か、じゃぁcurlかな」
「JSON か、parson かな」
「色表示か...エスケープシーケンスでもいいけどWindowsがなー...」
といった事を考え、そこから curl や parson といった資材の調達を始める事になります。途中で新しい機能を追加したくなり、それを外部ライブラリに頼る場合だとその都度資材を調達する必要があり、思考を停止しなければなりません。
この辺は ruby や perl、nodejs、golang 等の様に、ちょっとした手間だけで済ませたい物です。
またC言語の場合、ヘッダファイルはシステムの include フォルダに提供元が期待する通りに配置するか、手元の Makefile でパスを通す必要があり、ライブラリもバージョンに従ったファイル名である必要があります。
こういうチマチマとした作業も楽しかったりはするのですが、今すぐ作りたいって時には腰が重い作業となります。include 配下を整理し出したらどうも気になり始めて、気付けば全く関係の無い事をやっていて作りたかった物が何も出来ていなかった、なんて事もありますよね。
以前 github で clib というプロジェクトを見つけました。
clibs/clib - GitHub言うなれば、C言語版の bundler であったり、carton であったり、npm だったりする訳です。
Package manager for the C programming language.
https://github.com/clibs/clib
今日は、この clib を使うとどの様に開発が進められるかを手順と共に説明します。
package.json を用意する
上記の様な仕様を満たすライブラリは幾つかあります。また github 上には clib から扱えるライブラリが多く存在ます。そしてそのリポジトリには package.json というファイルが含まれています。今回の仕様を満たす為に、僕は以下の package.json を作りました。
{
"name": "helloworld",
"version": "1.0.0",
"repo": "mattn/helloworld",
"dependencies": {
"stephenmathieson/http-get.c": "0.1.0",
"kgabis/parson": "*",
"Constellation/console-colors.c": "1.0.1"
},
"install": "make install"
}
追記: parson-repo が無くなってたので修正これをリポジトリ直下に置いて以下のコマンドを叩きます。
clib install
deps フォルダ配下にパッケージがインストールされました。
├── deps
│ ├── console-colors
│ │ ├── console-colors.c
│ │ ├── console-colors.h
│ │ └── package.json
│ ├── http-get
│ │ ├── http-get.c
│ │ ├── http-get.h
│ │ └── package.json
│ └── parson
│ ├── package.json
│ ├── parson.c
│ └── parson.h
└── package.json
簡単すぎる!!!まぁなんと便利なんでしょう!ちなみにこの clib install は、使用するパッケージが依存する別のパッケージも合わせて持ってきてくれる為、依存物地獄に陥る心配もありません。
Makefile を用意する
まず src ディレクトリを作り、リポジトリ直下には以下の Makefile を置きます。
CC ?= cc
PREFIX ?= /usr/local
ifeq ($(OS),Windows_NT)
BINS = helloworld.exe
LDFLAGS = -lcurldll
CP = copy /Y
RM = del /Q /S
MKDIR_P = mkdir
else
BINS = helloworld
LDFLAGS = -lcurl
CP = cp -f
RM = rm -f
MKDIR_P = mkdir -p
endif
SRC = $(wildcard src/*.c)
DEPS = $(wildcard deps/*/*.c)
OBJS = $(DEPS:.c=.o)
CFLAGS = -std=c99 -Ideps -Wall -Wno-unused-function -U__STRICT_ANSI__
all: $(BINS)
$(BINS): $(SRC) $(OBJS) $(RES)
$(CC) $(CFLAGS) -o $@ src/$(@:.exe=).c $(OBJS) $(RES) $(LDFLAGS)
%.o: %.c
$(CC) $< -c -o $@ $(CFLAGS)
clean:
$(foreach c, $(BINS), $(RM) $(c);)
$(RM) $(OBJS)
install: $(BINS)
$(MKDIR_P) $(PREFIX)/bin
$(foreach c, $(BINS), $(CP) $(c) $(PREFIX)/bin/$(c);)
uninstall:
$(foreach c, $(BINS), $(RM) $(PREFIX)/bin/$(c);)
test:
@./test.sh
.PHONY: test all clean install uninstall
この Makefile を使うと、deps ディレクトリ配下にうまくパスを通してくれる為、以後 make コマンド一発で依存物がビルド出来る様になっています。コードを書こう
コードは、江添さんのブログ「本の虫」の Blogger JSON Feed をパースし、タイトルと URL を一覧表示します。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
#include "console-colors/console-colors.h"
#include "parson/parson.h"
#include "http-get/http-get.h"
int
main(int argc, char* argv[]) {
http_get_response_t* res = http_get("http://cpplover.blogspot.com/feeds/posts/default?alt=json");
if (res->status != 200) {
cc_fprintf(CC_FG_RED, stderr, "ERROR");
goto leave;
}
char* json = calloc(res->size + 1, 1);
if (!json) goto leave;
strncpy(json, res->data, res->size);
JSON_Value *root_value = json_parse_string(json);
JSON_Object *root = json_value_get_object(root_value);
JSON_Array *entries = json_object_dotget_array(root, "feed.entry");
for (int i = 0; i < json_array_get_count(entries); i++) {
JSON_Object *entry = json_array_get_object(entries, i);
cc_fprintf(CC_FG_BLUE, stdout, "%s\n",
json_object_dotget_string(entry, "title.$t"));
JSON_Array *links = json_object_get_array(entry, "link");
for (int l = 0; l < json_array_get_count(links); l++) {
JSON_Object *link = json_array_get_object(links, l);
if (!strcmp("alternate", json_object_get_string(link, "rel"))) {
cc_fprintf(CC_FG_YELLOW, stdout, "%s\n",
json_object_dotget_string(link, "href"));
break;
}
}
}
json_value_free(root_value);
leave:
if (res) http_get_free(res);
if (json) free(json);
return 0;
}
ちょっと適当なのでバグあるかもしれませんがご愛嬌で。実行結果は以下の通り。
簡単すぎる!!!
僕の中ではちょっとしたライフチェンジングですね。
このスピード感なら色んな物が作れそうな気がしますね。実際このコードも clib install を含めて10数分程度で書けました。
皆さんも一度、このスピード感を味わってみて下さい。